【介護の現場から】住み慣れた地域で暮らし続ける ~家族で寄り添い支えていく介護~

2018/04/04

【艶さん(仮名)の事例】

艶さんは息子さん夫婦と孫娘3人と暮らしていましたが、艶さんが70代の時に息子さんのつれ合いが病気で亡くなり、それからまだ幼い孫たちの子育てが始まりました。
息子さんとは成人してから養子縁組をしたので実は初めての子育てでした。
孫たちが寂しくないようにと授業参観には親がわりに欠かさずに参加し、膝が悪い艶さんに先生が保護者席の最前列に椅子を用意してくれたことを楽しそうに話をしてくれました。
孫たちも結婚をきっかけに家を離れ、息子も同居をしていなかったので、1人残った孫娘Aさんと二人での生活になりました。艶さんは94歳で寝たきりになり、介護が必要になりました。責任感の強いAさんは「育ててもらったから」と自宅で介護をする道を選びます。しかし仕事をしながらの介護は想像以上に大変で、時には認知症の症状からおむつ交換の拒否などがおきるようになりました。 
ある日、仕事と介護で疲れたAさんが思わず手をあげてしまうと、「映画にでも行ってきたら?」と艶さんが言いました。 昔からAさんがイライラしているとかけてくれた言葉でした。その言葉でハッとしたとAさんは、罪悪感と後悔で泣きながら姉妹に電話をしました。これをきっかけに姉妹に協力を頼めるようになり、拒んでいた介護サービスも利用開始。Aさんが穏やかになったことで艶さんも笑顔が多くなり、104歳で最期を迎えるまで自宅で穏やかに過ごすことができました。
このケースを通じて主介護者のAさんからは介護をしていくなかでの気持ちの変化、他の孫たちからはAさんの介護を否定せず、いつでも手を貸せるように見守り支えつづけた姿勢に多くのことを学びました。どんな介護にも寄り添い支えていくという信条を教えられました。

葉山クリニック
ケアマネージャー 渡邉 恵美