訪問介護の報酬引き上げを求める!

2024/05/08

 1月22日、厚生労働省が2024年の介護報酬改定内容を公表しました。改定率は、基本報酬ベースで1.59%。これとは別に介護職員の処遇改善加算の1本化で0.3%増、施設の水光熱費の利用者負担増で0.15%の効果を見込み合計2.04%増に相当するとしています。

 しかし、訪問介護では、基本報酬を2〜3%引き下げることがわかりました。3年に1度の改定は、経営実態調査を基礎資料として参考にしています。2022年度の決算結果では、全サービスの利益率(収支差率)は、2.4%で過去最低となりました。特に施設サービスが悪化。特養がマイナス1.0%、老健がマイナス1.1%と初めてのマイナスです。そのため、今回の改定では、利益率(収支差率)がマイナスだった特養や老健など施設サービスでプラスとなりました。

 しかし、訪問介護サービスは、2〜3%のマイナス改定でした。その根拠となったのが、訪問介護の7.8%という高い利益率(収支差率)です。ところが、同じ調査で利益率(収支差率)0%未満の訪問介護事業所が36.7%を占めていることがわかりました。約4割の事業所、つまり約1万2000事業所が赤字ということです。訪問介護の利益率(収支差率)を引き上げていたのは、ヘルパーの移動時間がほとんどないサービス付き高齢者住宅などへの訪問を主としている大手の訪問介護事業所でした。

 訪問介護事業所の倒産件数は、過去最多の67件でした。その多くは、小規模事業所でした。介護職の給与は、全産業平均より月額7万円も下回っています。訪問介護の有効求人倍率は15.53倍と突出し、ヘルパーの高齢化が進み7.4人に1人が70歳以上です。

 このまま、介護報酬の引き下げが実施されれば、人手不足が解消されないばかりか、事業収益は減少し、事業所の閉鎖・倒産は避けられなくなります。在宅介護を支える訪問介護サービスを守るためには、基本となる介護報酬の引き上げがどうしても必要です。

(副専務 片倉博美)